自動車事故,損害賠償額

1.裁判手続きにおける損害賠償の状況

裁判所の手続きによって、損害賠償問題を解決する方法の主なものとしては、

(1)訴訟を提起する方法(原則として、請求額が90万円以下の場合は簡易裁判所、90万円を超える場合は地方裁判所が管轄する。この額は昭和57年9月1日以降従前の30万円から90万円に改められた)

(2)調停を申し立てる方法(請求額にかかわらず、原則として簡易裁判所が管轄する)

の2つがあります。

昭和45年から平成4年までの交通事故による死傷者数、交通訴訟新受事件数および交通調停新受事件数の推移については、以下のような特徴が見られます。

(1)交通訴訟事件については、増加と減少を繰り返していますが、全体的には漸増傾向にあります

(2)交通調停事件については、ほとんど変動がありません

(3)一貫して交通訴訟事件数が交通調停事件数を上回る傾向を示しています。

2.判例にみる賠償額の推移

自動車事故の民事損害賠償請求は、その大部分が示談、調停等によって解決され、裁判によって判決まで持ち込まれるものはわずかな件数です。

したがって、裁判例における認定総損害額あるいはその算定方法が直ちに我が国の民事損害賠償の実態や動向であると受け取ることはできません。

しかし、現実の示談や調停においては、裁判例を参考にして解決をはかる傾向が強いので、この麺におけるひとつの指針として、裁判例動向の把握は、以前として重要なことです。

(1)死亡・後遺障害・傷害事故の平均認定総損害額

地方裁判所で扱われた自動車事故により損害賠償請求事件の認定総損害額平均額は、年々上昇しています。

(2)死亡・後遺傷害事故の高額判例

裁判で争われた死亡・後遺傷害事故については、1億円以上の高額損害認定の判決が多数出ています。

岡山地裁では、昭和51年9月13日の判決で、57歳の画家の死亡事故に関し、損害総額3億8700万円を認定していますし、また、釧路地裁の昭和61年8月5日の判決で、医師の死亡事故に関し、損害総額2億2200万円を認定しています。

これらの判決例は、昭和60年以前の事故であり、国民所得が当時より上昇している現在では、賠償額1億円以上の時代に突入したといっても過言ではありません。

この事実は、対人賠償保険金額をいくらにしたらよいのか、という問いにヒントを与えてくれます。


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